食生活や運動といった生活習慣の歪みが大きく関係して起こる病気を、従来の「成人 病」に代えて「生活習慣病」と呼ぶようになりました。生活習慣病に含まれる病気のなか で食習慣と関係するものには、ィンスリン非依存(2型)糖尿病、肥満、高脂血症、循環器病などがあります。運動習慣と関係するものには、ィンスリン非依存糖尿病、肥満、高 脂血症、高血圧症などが含まれます。喫煙習慣と関係するのは、循環器病などがあります。また、飲酒習慣と関係するのは、アルコ—ル性肝炎などです。

生活習慣病のうち、糖尿病ではしばしばEDが合併することが知られているので、ED も生活習慣病の一種と誤解している人もいるくらいです。

EDは糖尿病のように生活習慣を改善するだけで予防できる場合もありますが、心因性 EDのようにある日突然発症することもありますし、事故や手術などで勃起神経を損傷す るような、生活習慣となんら関係なく突然発症することもあります。

解明されつつあるリスクフアクタ—

これまで正式な手法に則ったのED疫学調査があまりおこなわれてこなかったので、危険因子とEDとの関係が明確ではありませんでした。EDの疫学調査のモデルとしてよく引用されるのは、マサチユーセッツ州ボストン近郊 で行われた「マサチユーセッツ男性加齢研究」です。この研究では、EDのリスクフーは年齢、学歴、糖尿病、心疾患および高血圧であったと報告されています。

 

最近、勃起のメカニズムの分子レベルでの解明が進み、これまでEDのリスクファクターとして挙げられてきた加齢、糖尿病、喫煙などが、勃起を誘発する神経伝達物質である一酸化窒素の合成と関連づけて報告されるよぅになりました。このように、今後はEDの各種リスクファクターや疾患との関係についても分子レベルで解明されていくものと思われます。

ED予防の鍵

EDの疫学調査から、EDのリスクファクターとしてまず加齢が挙げられます。研究では夜間勃起(NPT)の計測による勃起力の観察から、年齢とともに勃起力の 低下がみられ、その主な原因は年齢が進むのに伴う陰茎血管系の変化と男性ホルモンの分泌低下が関係していることが判明しています。

そのほかに糖尿病や高血圧症といつた生活習慣病が含まれています。これら生活習慣と 関係する病気が、生活習慣の改善によって減少すれば、当然EDの発症率も低下するはず です。この意味で、生活習慣病を予防することはEDの予防にきわめて有効であるといえます。

もちろん、生活習慣病の発症と進展には、生活習慣要因だけでなく、遗伝的要因、外部 環境要因などが深く関与します。けれども、これらの要因のなかで自分の意志で変えることのできるものは生活習慣ですから、これを変えるだけでも生活習慣病の発症をかなり抑能と考えられるのです。生活習慣病の発症に共通する背景因子である食事、運動、飲酒、喫煙、睡眠などをEDとの関連でみてみましよう。


  • 食習慣

A.高カロリー食

B.高食塩食(高血圧、腎機能障害、心疾患など)

C。高胞肪食(前立滕ガンなど)

  • 運動習慣

a.脂肪の燃焼促進—動脈硬化進展の防止

b .ィンスリン抵抗性を改善ー耐糖能を高め糖尿病の発症を予防

c.エネルギー消费による肥満予防

d .ストレス解消

  • 飲酒習慣

少量はストレス解消になるが、大量のアルコール摂取は血圧上昇を引き起こすだけでなく、性中枢での機能を低下させる。

  • 睡眠習慣

充分な睡眠はストレス解消になる。不足は自律神経系に作用し体調不良、不整脈誘発、免疫機能を低下させたりする。

EDを引き起こすよぅな生活習慣病を予防するためには、これらの生活習慣に対してア プローチしなければなりません。

ブレスロウらは、健康を保つための生活習慣として次の七項目を挙げています。

1.適正な睡眠時間

2.喫煙をしない

3.適正体重を維持する

4.過度の飲酒をしない

5.定期的にスポーツをする

6.也朝食を毎日食べる

7.問食をしない

以上の七項目を実践すれば、生活習慣病の発症を予防でき、ひいては生活習慣病に合倂するEDの発症を予防できます

すでにEDになつている人も、これ以上の進行をストッブさせるため、あるいはED予防のため、単に生活習慣病予防のためだけにでも、自分の暮らしぶりを見直すことが、 今、必要なよぅです。