心因性EDについて

EDとは英語のerectile dysfunctionの頭文字をとって、性機能障害インポテンスのことを指します。1993年EDに関するアメリカのNational Institute of Health (NIH)のコンセンサス会議で定められた「勃起の発現あるいは維持できないために満足な 性交ができない状態」が世界的に用いられるようになっていいます。

今まで、EDの原因と言えば、心理的要因による心因性EDのケースが多いと言われていますが、医学の進歩に連れて、現在、器質性EDと混合性EDが圧倒的に多いということが判明しました。たとえば抗精神 病薬が勃起機能を抑えたり、抗精神病薬の中には高プロラクチン血症を引き起こす場合も あり、これによってEDに陥っている場合もあり、精神疾患を機能性に含めることに疑問が 出ているわけである。

心因性EDについて


まず、イメージの心因性EDですが、心因性EDとは、あらゆる検査で身体的異常 はないにもかかわらずEDとなるものです。精神障害、特にうつ病や不安神経症などの精神障害も心因性EDの原因と考えています。心理的原因として、ごく普通にみられる心理的要因、過去のセックスの失敗からくる不安、失恋や夫婦間のトラブル、離婚、嫁姑の問題、仕事からくる不安 やストレス、経済的破錠などによって起こるものと心の奥底にひそむ心理的原因、また、怒り、憎しみ、ねたみ、愛憎葛藤、生育上の諸問題、幼少時期における精神的外傷、 ホモセクシュアルなどもEDに繋ぎます。心因性EDの中 で多くを占める新婚EDの共通した背景因子は見合い結婚が多い、童貞で結婚した者が多 い、性的経験に乏しいなどで、このため初夜に過剰な緊張状態となり性交に失敗し、それ がまた次も失敗するのでないかという予期不安となり、次の性交にも失敗し、このような 失敗を繰り返すようになってEDに陥るものが圧倒的に多いです。

器質性EDについて

器質性EDについて


器 質性EDとは、勃起の機能に関して、どこか身体そのものに異常がありE Dになつたものを指します。器質性EDといてもいろんな種類があって、だいたい陰茎性、神経性、血管性、内分泌性に分けています。ここで、その4つに詳しく紹介します。

陰茎性

勃起時陰茎の硬結や索状物で湾曲したり、あるいは疼痛があったりして性交ができない もので、その原因として先天性のものでは陰茎湾曲症、尿道下裂など、後天性としては原 因はまだ不明だが、陰茎に硬結ができるPeyronie病などがある。

神経性

勃起に関与する神経の障害の原因として、外傷(脊髄損傷、脳外傷)や手術(直腸、膀胱、 前立腺のような骨盤内臓器の悪性腫瘍に対する根治手術も神経を損傷しないように注意し て手術する神経温存手術が行われているが、原疾患が悪性のため、病気の進行具合によっ ては神経を犠牲にせざるを得ないこともある)、脳血管障害に伴う中枢神経障害、多発性硬 化症、その他糖尿病やアルコール中毒による自律神経障害などがある。

血管性

陰茎梅綿体へ流入する動脈系の障害による海綿体内に流入する血流量の低下をきたして EDに陥る場合が動脈性EDで、主な原因として閉塞性動脈硬化症がある。また、骨盤内手 術の際や骨盤骨折の際に動脈を損傷したり、会陰部の鈍的外傷によって内陰部動脈の閉塞 をきたすこともある。一方、陰茎海綿体から出ていく静脈系の閉鎖機構の障害によって起 こるEDを静脈性EDと呼んでいるが、これは陰茎白膜の異常(白膜組織の組成が加齢に よって変化し弾力性がなくなるなど)によるものか海綿体組織そのものの変化によるもの かまだはっきりしていない。

内分泌性

精巣機能低下による男性ホルモン(テストステロン)欠乏症と高プロラクチン血症が主な もので、このほか甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症の際にもEDがみられ、このような ホルモンの異常が原因のEDを内分泌性EDと呼んでいる。

先天的な精巣機能低下によるテストステロン欠乏に伴うEDもあるが、最近は加齢に伴 うテストストステロン欠乏に合併するEDが注目されてる。テストステロンが著明に低下 した高齢者にあってもなお性欲があったり、勃起がみられたりすることから、テストステ ロンは勃起に直接関与しないと考えられていたが、最近テストステロンは性中枢における モノアミン(このアミン類が勃起を促進したり抑制したりしている)の効果を発揮させるの に重要であるばかりでなく、末梢においてもテストステロンが一酸化窒素合成神経(勃起を 起こさせるのに最も重要な神経の一つ)を賦活していることが知られるようになった。実際 に加齢とともにテストステロン欠乏によるEDが増加してくるし、これら症例にテストステロンを補充するとEDが改善することもわかった。

一方、高プロラクチン血症は視床下部のドーパミン代謝を亢進させて性腺刺激ホルモン (LH – RH)分泌を抑制することで性機能に影響すると考えられている。高プロラクチン血 症で性欲の低下とEDのほかに射精障害をきたすことがある。高プロラクチン血症の原因 として下華体腫瘍、薬物などがある。

混合性EDについて

混合性EDについて


実は調査によると、EDの原因一つだけではなく、複数の因子、絡み合って起こると考えられ、心理的要因、から器質的な原因となったケースや器質的な原因から心理的要因となったケースもよく見られます。単に器質性とか心理的要因に区別することは難しいです。その両者が混在するものを混合性EDとよばれています。

混合性EDには糖尿病や腎不全などの慢性疾患に伴うEDがある。これら疾患では原因 が多岐にわたり器質的要因に心理的、社会的要因が加味していることが多い。

その他の原因


今でも判明できない、要因もあります。例えば、薬物による薬物性ED、器質性EDの一つともいえますが、これは中止するとEDが改善すること(可変因子)から、器質性EDに含めないとする意見も多いのでここではその他 のEDに分類した。

薬物がEDを引き起こす薬物性EDは、日本では薬の説明書にもEDについて記載したものは殆ど見当たらず、多くの医師や薬剤師はEDのことは知らないし、関心もあまりない。ところが種種なる薬がEDを引き起こし、EDの実に25%は病気そのものが原因でなく、病気の治療のために処方された薬によってEDが引き起こされているといわれ ています。

その薬物の主なものは抗精神疾患薬(三環系抗うつ薬、セロトニン再取り込み阻害薬、 ドーパミン拮抗薬、フェノチアジン、抗コリン薬など)、降圧薬(利尿薬、交感神経抑制薬、 神経節遮断薬、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬など)、ホルモン薬(前立腺がん の治療に使用する抗男性ホルモンなど)、抗潰瘍薬(H2捨抗薬など)、このほか可変因子とし て過量のアルコール摂取、マリファナ、アンフェタミン、ノマノレビツレート、阿片などの薬 物乱用もEDの原因になります。